ー土木工事の現場で重宝される資格4選!試験概要や合格率も紹介ー
土木工事の現場で行われるさまざまな現場作業。これらはいずれも、厳格な法規制のもとで実施されています。作業によっては高度な技術と専門知識が求められ、特定の資格が必須な場合も。
この記事では、土木工事の現場で重宝される、代表的な資格4種を解説します。
各資格試験の内容や、合格率もご紹介しますので、資格の取得を考える際に参考にしてみてください。
土木工事の現場で重宝される資格
土木工事の作業には幅広い専門分野があり、その工事内容は道路やトンネルなどのインフラ整備から、災害時に地域を守るための河川整備までさまざまです。
そして土木工事に従事するには、作業現場だけでなく管理職にも、専門的な知識と技術が求められます。
その専門性を証明するために資格が設けられており、土木工事の現場において重宝される資格は次の4種です。
・土木施工管理技士
・建設機械施工管理技士
・コンクリート診断士
・下水道技術認定検定
一つずつご説明します。
土木施工管理技士
土木施工管理技士資格は、土木工事の現場管理者が取得しておきたい国家資格の一つです。一定規模以上の工事では、資格保有者の配属が法律によって義務付けられています。
1級と2級の区分
土木施工管理技士には1級と2級の区分の区分があり、対象となる工事の規模や責任範囲に差があります。
【2級】
一般建設業の営業所における「専任技術者」や、作業工程ごとの責任者として設置される「主任技術者」として従事可能。
「土木」のほかに「鋼構造物塗装」「薬液注入」という3つの専門分野に分けられ、それぞれの分野での監理業務を行えます。
【1級】
2級の範囲にくわえ、特定建設業の営業所における「専任技術者」、現場を指揮する「監理技術者」として仕事に従事可能。
大規模な土木工事プロジェクトの主導や監督業務を行えます。
土木施工管理技士の試験構成
土木施工管理技士の第一次検定はマークシート方式です。「午前の部」と「午後の部」にわかれており、次のような構成になっています。
【午前の部】
1.土木工学等(土木一般)
2.土木工学等(専門土木)
3.法規
【午後の部】
1.土木工学等(共通工学)
2.施工管理法
3.施工管理法(能力問題)
第二次検定は記述式で、施工管理法の内から11問中7問を選択し、解答します。
土木施工管理技士の試験難易度
1級土木施工管理技士試験は、第一次検定での合格率が約50~60%、第二次検定での合格率は約30%です。
建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士の資格は、建設現場で建設機械の操作や施工管理を行う責任者の認定を目的とした国家資格です。
建設機械施工管理技士試験の概要
1級建設機械施工管理技士の第一次検定もマークシート形式で、以下の科目が含まれます。
・土木工学
・施工管理法
・建設機械原動機
・石油燃料
・建設機械
・建設機械施工法
・法規
第二次検定には、記述式の筆記試験と専門技術の実技試験が含まれます。
【筆記試験】
・組合せ施工法
・施工管理法
・建設機械施工法
【実技試験】
6つの建設機械種別の中から2つを選択し、操作技能を評価する試験が行われます。
・第1種 トラクター系建設機械操作施工法
・第2種 ショベル系建設機械操作施工法
・第3種 モーター・グレーダー操作施工法
・第4種 締め固め建設機械操作施工法
・第5種 舗装用建設機械操作施工法
・第6種 基礎工事用建設機械操作施工法
建設機械施工管理技士の試験難易度
1級建設機械施工管理技士資格の第一次検定合格率はおおよそ20~25%です。
第二次検定は63~84%と報告されており、合格率は高めです。ただし試験の内容が令和3年度に更新されたため、将来的な合格率の変動が予想されます。
技術士および技術士補
技術士は、土木工事を含めた各種産業分野での技術的コンサルティング能力を持ち、最上位の専門知識と技術力を保持していることを証明する資格です。
技術士補の資格は、技術士試験の一次試験に合格することで得られます。
技術士試験の構成
技術士の一次試験は、択一形式のマークシート試験で行われ、以下の三つの科目から構成されます。
・基本科目
・適性科目
・専門科目
二次試験では、筆記試験として論文形式での回答が求められ、さらに口頭試験での面接が行われます。筆記試験は、総合技術監理部門とその他20部門に分かれ、それぞれで試験内容が異なります。
口頭試験は対話形式で、技術士として求められるコミュニケーション能力やリーダーシップ、技術的倫理観や技術士としての適格性などが評価されます。
技術士試験の難易度
技術士の一次試験合格率は約30~50%であり、二次試験の合格率はおおよそ10%前後です。どちらも高い難易度を誇る資格試験であることが伺えます。
コンクリート診断士
住宅や高層建築・河川の護岸や防波堤・防潮堤など、多岐にわたる分野で使用されるコンクリート構造物の、検査と評価を行う資格がコンクリート診断士です。この資格保有者は、コンクリート構造物の劣化状況を診断し、適切な維持・管理方法を提案します。
コンクリート診断士試験の概要
試験は四肢択一および〇×の形式を取り、次の8つのカテゴリから問題が出されます。
・コンクリート用材料の品質・試験・管理
・コンクリートの配(調)合設計
・コンクリートの試験
・プラントの計画管理
・コンクリートの製造・品質管理
・コンクリートの施工
・関係法令
・その他
コンクリート診断士の難易度
コンクリート診断士試験の合格率は約15%で、これはコンクリート技士試験の約30%と比較しても、より高度な専門知識と技術が求められる難易度の高い資格と考えられます。
下水道技術認定検定
下水道技術検定は、下水道の設計および工事技術に関わる専門技術を評価し、認定する資格試験です。この検定は、下水道分野で活動する技術者に求められる実務経験の短縮を目指して設けられました。
下水道技術認定には、第1種~3種まで、3つの区分があります。
・第1種技術検定:下⽔道の計画設計を⾏うために必要とされる技術
・第2種技術検定:下⽔道の実施設計及び⼯事の監督管理を⾏うために必要とされる技術
・第3種技術検定:下⽔道(処理施設、ポンプ施設)の維持管理を⾏うために必要とされる技術
このうち、第1種技術検定が最も高いレベルの認定とされています。
下水道技術検定の試験内容
下水道技術検定の種別によって、試験の形式と内容は異なります。
●第1種(多肢選択式・記述式)
・下水道計画
・下水道設計
・施工管理法
・下水処理
・法規
●第2種(多肢選択式)
・下水道設計
・施工管理法
・下水処理
・法規
●第3種(多肢選択式)
・下水処理
・工場排水
・運転管理
・安全管理
・法規
下水道技術検定の難易度
第1種技術検定の合格率は約10~16%、第2種は約25~35%、第3種は約27~35%と報告されており、いずれも専門性の高さと難易度がうかがえます。
土木工事関連の資格を取得する企業側のメリット
土木工事にはこの他にもさまざまな資格が存在します。これらの資格を持つことは個人だけのメリットにとどまりません。
企業にとっても、工事を進めるうえで必要不可欠な人材を確保できる、大きなメリットとなります。資格取得を通じて土木工事現場での活躍の幅が拡がり、キャリアアップにもつながるでしょう。
まとめ
今回は土木工事の現場で重宝される資格4選をご紹介しました。
内容を要約すると次のとおりです。
・土木工事の現場で活躍できる資格は土木施工管理技士・建設機械施工管理技士・コンクリート診断士・下水道技術認定検定など
・資格によっては法律で人員配置が義務付けられているものもある
・資格取得は個人のキャリアアップだけでなく、企業にもメリットがある
今回ご紹介した資格はいずれも難易度が高く、取得することは簡単ではありませんが、その代わりに現場でも重宝されるものばかりです。
自分のキャリアプランを構築するためにも、取得を目指してみてはいかがでしょう?
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